「こんな夜更けにバナナ   その3   産婆さんの役目

P.154 「産婆さんがいなくても子どもっていうのは生まれるものなんです。
    ただ産婆さんがいると、安全に生まれやすいというだけのことです。」

上記は北海道リハビリー(企業型授産施設)の指導部長だった西村秀夫氏の言葉。
終戦後、東京大学の教官になり、全共闘運動激化の折は
「学生の心情を最もよく理解する教員の一人」だったそうです。

その西村氏が身体障害者と交流を深めるきっかけなど、詳しい経緯は
P.148~154に書かれていて、偉い方だなぁと思います。
ただ、赤ちゃんは殆どが自然に生まれてくるのでしょうが、
障害者の権利とか、国民の意識改革は、自然に生まれてくるとは思えません。

「声高にシュプレヒコールを叫ぶのは得策でない」ことは理解していますし、
西村氏のように、「気負いなく」「淡々と」「自然に逆らわず」運動を続けていくことが、
結局、確実に進歩を促せるのでしょう。

私は今、シェア奥沢という「フツーの市民の文化的サロン」に縁を得て活動していますが、
オーナーの堀内教授という<産婆役?>の方が居なかったら、成立していない場所です。
リタイアしたら(もちろん現役世代でも!)、アンテナを高く伸ばし、
楽しく成長できる場所を開拓し続けることが重要だと思います。

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