「在宅ホスピス」 2 がん治療の問題点

P.38 そもそも、転移・再発した固形がん(血液がん以外のがん)の
   ほとんどは、最新の分子標的治療薬をもってしても、
   治癒することは困難であり、その延命効果は
   時に数年に及ぶこともあるが、月単位のことも少なくない。

   そのことを知っている患者さんや家族は、
   いったいどれほどいるのだろうか?
   治療医は、そのことをきちんと説明しているのだろうか。

近藤誠医師は、「医療側が意図的に患者に新たな治療を押し付け続け、
散々医療費を使いまくり、苦しみを与えてから放り出す」と、著書で断言。
この本の著者も同じような立場で解説しています。

P.39 患者さんと家族はワラにもすがる気持ちなのだ。
   冷静に判断できる方は稀と言っていいだろう。
   医療側はそのようなことを認識したうえで、
   説明が的確に伝わっているかどうかの確認をしつつ、
   病状とその治療の意味などについて、
   何度でも丁寧に説明する必要があるのだ。

上記のことは、敢えて書かなくたって、医療者側の良識であるべきです。
でも、現実は「がんと闘い続ける治療あるのみ」のようです。
私の近くにも、この罠に嵌って苦しんでいる大事な知人がいます。

本人がその方法に希望を託して、辛い治療に耐えることを選んでいるので
周りからは何も言えません。
この辺が、がん治療の大きな大きな問題点なのでしょう。

   

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