この本のキモは<科学的に証明された究極の食事>です。
p.31 全ての食品は5つのグループに分けられる。
健康によいことが複数の研究で明らかになっている食品をグループ1として、
健康に悪影響があることが複数の研究で示されているものをグループ5とする。
p.32にグループ1から5までに細分化された食品が示されています。
私自身は既に殆どグループ1と2の食品で暮らしているし、グループ4と5の食品は
極力避けるようにしているので、違和感はありません。が、ジャガイモが
グループ5の<白い炭水化物>に入っているのは、ちょいと残念。
ここでは、日本が追いかけるべき「欧米諸国の科学的態度」の用語を
覚えることにします。P.35
①ランダム化比較試験:研究対象となる人を、
くじ引きのような方法を用いて2つのグループが全く同じになるように分け、
(中略)2つのグループはその食品を摂取しているかどうか以外の全ての点において
ほぼ同じであると考えられるため、食品の健康に対する効果をきちんと
評価することができる。
②観察研究:特定の食品をたくさん摂取しているグループと、
あまり摂取していないグループを見つけて分析する。
(中略)本当に食品だけの影響を見ているのか難しいことああるため、
ランダム化比較試験と比べると劣る研究手法であるとされている。
③メタアナリシス:複数の研究結果をとりまとめた研究手法
次に、私にとって気になる(=家族に伝えたい)情報を。
p.98 乳製品のとりすぎは、前立腺がんや卵巣がんのリスクを上げる可能性が
過去の研究より示唆されている。
乳製品の摂取量が多い欧米の女性に乳がんが多いとか、
骨粗鬆症が多い(カルシウム・パラドックス)というのは
古くから知られていますが、前立腺がんとの関係は、私にとっては初耳でした。
「カルシウムが足りないよ!」の大合唱で、「もっと乳製品を!」という
官民をあげてのコマーシャルに、殆どの人が「健康のために牛乳を飲んでいる」
と思うのですが、敢えて隠されている研究結果があるようですねぇ~。
以下、多くの日本人には受け入れ難い記述だけれど、私の家族、特に女の子の孫達には
知っておいて欲しい情報をメモします。
p.115 白米の摂取量と糖尿病のリスクとの間には正の相関があるので、
減らせるのだったらできるだけ少ない摂取量の方が良い。
p.131 牛肉、豚肉、ソーセージやハムは健康に悪い
p.139 卵は1週間に6個まで
以前、イチロー・カワチさん(公衆衛生学)の本を推薦図書として紹介しましたが、
同じアメリカの、私好みの啓蒙書なので、なるべく多くの人に読んで欲しいと思います。
読んでも、「そんなこと、信じられないネ」と言って、蹴飛ばす人が多いとは思いますが、
「へぇ~、こういう情報もあるんだ!」ということを知って欲しいです。