P.186 アメリカにフラミンガム・スタディという有名な疫学調査がある。
ボストン郊外の小さな町フラミンガムの住民ほぼ全員を、
1948年から2年毎に、心臓病、高血圧、脂質異常症、糖尿病などについて
罹患しやすさ、かかりにくさなどを現在まで調査し続けているもの。
P.187 (調査の中で)ある面白い発見がありました。
幸せをよく感じるという人の分布を、人のネットワークを
図にして調べました。すると、彼らはかたまりになっていたのです。
一方、「不幸な人」もかたまっていました。
幸せと感じている人のまわりには、同じように幸せと思っている
人がいて、それがかたまりをつくる。
一方で、不幸な人もかたまりをつくるのです。
P.188 この現象は、「幸せが幸せを呼ぶ」と呼ばれることになりました。
そして、「幸せな人」の周囲は、「友達の友達の友達」まで、
なんと3段階にわたって幸福感を感じていることが
データ上には示唆されていたのです。
幸せとは、伝播することが証明された実験でした。そして
この調査ではなんと、幸せな人に囲まれていると、
いまは幸福感が薄くても、時間の経過によって
幸せを感じる頻度が増える、ということもわかりました。
(中略)
明るい人のまわりには明るい人が集まり、
暗い人は暗い人たちで集まるような傾向はありませんか。
幸福も伝播しますが、不幸もまた伝播するのです。