生き心地の良い町 9

P.128 海部町の人々は、人間の「性」とか「業」をよく知る人々である。

人間、誰でも若いうちから「全て立派」でいられる筈がないです。
私なんて、今思うと「赤面のいたり」のことだらけ。
社会に出て、色々な人から指摘されて、反省して、努力して、、、
やっとのことで一人前になっていく・・・・のが常でしょう。

でも、「一度の過ち」を許さない人たち、風土、慣習・・・・
そういうところに身を置くと、生きていくのは大変そう。

P.114 一度目はこらえたれ

  P.116 周囲に迷惑をかけて当人に対し、
   「一度目は許す」ことによって汚名返上の余地を残し、
   やり直しのチャンスを与えた点にこそ注目すべきではないか。

   ひとりの人間の長い人生において、
   一時の行為だけで判断を下し、
   評価を固めてしまうことを避けようとする意識のあらわれ・・・

   「一度目は許す」という理念を共有するコミュニティの
   対極にあると思われるのが、
   ひとたび好ましからぬ評価を受けたが最後、
   「孫子の代まで」ついて回るという恐怖心を洗剤させている
   コミュニティである。

   社会学の世界では、集団が個人にネガティブな評価を与え、
   それを固着させる状態を「スティグマ(烙印)」と呼ぶ。

   スティグマに関する研究には国の内外に厚い蓄積があるが、
   ほぼ確立した結論として、
   スティグマが人間心理にあたえる悪影響を指摘している。

感覚的には知っていた事柄でも、こういった文章を読むと、
「な~るほどねぇ」と納得です。

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