昨日の記述で終ろうと思っていたのですが、以下の文章も絶対に必要と思い、
本分の通りに付け足します。
P.148 誤解のないようにあわてて付け加えますが、心臓停止後、
心臓マッサージやAED(自動体外式除細動器)を施したおかげで
九死に一生を得る人は少なくありません。
私の患者さんにも、その治療のおかげで歩いて退院できた人が7人います。
救急救命が適応になる人にとっては重要な医療です。
大切なのは、そうすることが患者の人生に益になるか、そうでないかを見極め、
その結果に沿った手立てを施すことなのです。
高齢で終末期に入った人を家族の安心のためだけに入院させ、
そこで逝かせることは、私に言わせれば
「刑務所死」させることにほかなりません。
身の安全がもっとも確保されるのは、ある意味、
刑務所に収監されることなのですから。
(中略) P.149 家で死ぬということは、苦しみがなく、
救急車を呼ぼうとは思わなかったということなので、
その死は「希望死」であり「納得死」です。