「103歳になって …… 」 ②

P.59 <絵の見方>について

   アメリカ屈指の美術批評家の話。
   「絵には作品名がないほうがいい。作品名があると、
    見る側がそれに左右されてしまう。

   (その批評家は)作家本人に会うこともしませんでした。
   説明を受けたら、自分の判断が鈍るかもしれない。
   作家に会うと情が移るかもしれない、と考えたからです。

なぁるほど……と思いました。

P.60 絵というものは、自分のなかに湧いてくる思いを、

   目に見えるようにしたものなので、

   「なにを(表している絵なのですか?)という質問には、

   私はいつも戸惑いました。

   絵に表れているものこそが、質問の「なにを」で、

   そしてその「なにを」は見る人によって、

   どのように受け止めてもいいものだからです。

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