写真はキナバル山の自然です。
標題の本、著者は萬田緑平・医師 2013/2 朝日新聞出版
現在は<在宅緩和ケア>の専門家として活躍されている著者ですが、
外科医として病院勤務の頃は、
手術、抗がん剤治療、再発治療、緩和治療、救急治療など、
患者さんの病気を治すべく奮闘されてきたそうです。
病院医療と在宅ケアの両方を見てきた著者だからこそ書ける、
終末期と死の現場について記されています。
P.31 (病人にとって)治療の効果より苦痛が上回ったら、
撤退したほうがいい。
病院医師は、「治療をしないともっと苦しくなりますよ」と、
言ったりするので、苦しいだけの治療を続けてしまう患者さんは
たくさんいます。
たしかに、治療をやめたら死んでしまうかもしれません。でも、
苦しい治療を続けたところで、助かるわけではないのに、
病院はなかなか治療をやめさせてくれません。
お医者さんは、「自分や自分の家族なら、やらない」であろう処置を、
色々な理由で、機械的に、意図的に、流れ作業で行うことがあるようです。
恐ろしさを感じます。