「健康は眼にきけ」 3 未知の異常

サリンは副交感神経を過大に刺激する毒物だそうです。
P.149 生理的範囲を超えた縮瞳や、毛様体筋の過剰な収縮させたり、
   (中略)眼瞼けいれん、眼球運動障害などがあり、

   (中略)サリンによって中枢神経の伝達系に生じた障害と考察。

P.152 サリン事件から何年も経過してから症状が出現したり、
   悪化したりするケースもある(=晩発異常)

   このような未知の中毒が生じた場合、本当は予断を許すことなく、
   虚心坦懐に症例を診て、訴えの主体は何なのか探求することが
   医師の真の使命であると思います。

   ところが残念ながら、臨床で経験したり、本で勉強したり
   したことには強い意志も未知のものは苦手なのか、
   拒絶的だったりする傾向があります。

   診ても短絡的に「異常なし」とか「気のせい」といって軽視し、
   その使命を放棄してしまっていると思われるのです。

   それでは被害者は救われないし、
   外傷医学、中毒医学の進歩も望めません。

という訳で、不運にも未知の症状を伴う事件に巻き込まれてしまったら、
よっぽど頑張って、色々な治療法を試みてくれる<良心的なお医者さん>を、
自分で探す必要があるようです。

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