P.48 インスリン人間からグルカゴン人間へ
この項では、<三食きちんと摂ること>への意見が展開されています。
「自力整体」をはじめ、東洋医学や西式健康法ほか、
今では多くの西洋医学のお医者さんも「朝食有害論」を説かれています。
何故、朝食を摂らない方が良いのか?
朝食抜き登校の児童のIQまで取り上げながら朝食が推奨される理由は?
朝食を摂らない場合の、身体の実態(脳の活動状況)は?
著者・小山内医師は「グルカゴン」というホルモンで説明されています。
最近の糖質制限の本などでは、「ケトン体」という言葉が主流。
要は、
「朝食を食べなくても(=ブドウ糖を摂らなくても)、
頭や身体が働かないわけではなく、
グルカゴンというホルモンのお陰で、ケトン体を燃料にして、
普通の学校生活や、思考活動、仕事はできる。
むしろ、朝食を食べない方が、身体の大掃除ができ、身体に良い」
という主張だと思います。
<検査ブック入門書>というHP(下記参照)を見ると、
http://www.kensa-book.com/expression/ketone.html
ケトン体の主な役割は生命の維持に欠かせない心臓や腎臓などの
各種臓器のエネルギー源としての働きです。
心筋や肺の呼吸に関与する横隔膜などの筋肉は私たちが普段意識
することなく活動している筋肉ですね。このように意識をせずとも
活動を継続し続ける筋肉を「不随意筋」と呼びます。
※不随意筋=無意識下においても活動する筋肉
人体の活動における主なエネルギー源はグルコース(ブドウ糖)と
呼ばれる糖分です。
ケトン体はこのグルコースが何らかの障害や疾患で生成されなくなって
くると、その代用エネルギー源として誕生します。
もしエネルギー源が完全に途絶えると活動が低下、もしくは
停止する為、ケトン体は無くてはならない成分です。
また、ケトン体の役割は不随意筋だけでなく骨格筋などの
随意筋のエネルギー源としての役割ももっております。
随意筋とは、意識して作動させる筋肉のことです。
ケトン体が生成されるメカニズムについて見ていきましょう。
ケトン体は主に
●体内の糖分(ブドウ糖)の不足
●糖代謝の異常
など血糖コントロールが正常に機能していない時に生成されます。
いまや、多くの書物やHPで、「朝食有害論」や、「少食の勧め」が
説かれていますが、2004年発行のこの本で、
これほど分り易く説得力を持って書かれていたことが驚きです。
それなのに、あまり話題にもならず(?)、マスコミに取り上げられず、
埋もれてしまっていたことが、とても残念です。