P.68 誰もが避けられない死というイベントを意識することで、
限られた時間の中で豊かな生に向かって歩こうとする、
私たちの幸福感はそんなところから滲み出てきます。
さらにそこで大切なのは、
「人は死なない」という事実を知ることです。
今回の生で授かった肉体は滅びますがまずはここに気付くこと。
そうでないと湯物論者のように現生利益にしがみついて
単に死を怖がることになります。
その仕組みがわかると、滲み出た幸福感の中に
「また会える」という感情が生まれ始めます。
他界した大事な人や愛しい人とはあちらの世界で会えるし、
次回の転生後も(前の生のことは覚えていませんが)違う役割で会えるでしょう。
そもそも大事な人や愛しい人は、いつも私たちのすぐそばに居ます。
私たちが死を迎える日、つまり現生を卒業するその日まで
彼らは優しい眼差しで見守ってくれているのです。
その仕組みを踏まえると、残りの人生を心配する必要がなくなります。