p.52 眼球運動は網膜剝離を招く最悪の習慣
眼球を動かす眼トレ(眼球体操)で目が良くなるという
ハウツー本が出版されていますが、眼科医としては
あきれるだけでなく、危機感さえ持っています。
足の筋肉や腹筋と同様に目の筋肉を鍛えようと、
眼科専門医ですらない人がすすめているのは大問題
眼球は体の中で最も複雑で繊細な組織。脳と同じといっても
いいくらいです。幼児の頭を激しく振れば、脳障害が起きます。
目も同じで、激しく動かすと障害が起きます。
大人になると硝子体が少しずつ収縮して小さくなるので、
眼球を激しく動かすと硝子体が揺れ、網膜に張った繊維が
引っ張られて網膜が破れ、その下に水が入り、網膜剝離を
起こすことがあります。
私の病院にも眼トレをして網膜剝離を起こし、駆け込んで
きて手術をした人が何人もいます。
根拠のない健康法にあおられて、視力を失うことなど、
絶対にあってはなりません。
この項は、私を含めて、結構実行している人がいるので、
そのまま書き写しました。そんなに激しくは動かしませんが、
自力整体でも眼球運動をします。美容的にも、表情作りに推奨され
多くの人が気軽に実施していると思われます。
要は、「激しく動かさない」ということなので、
肝に銘じておきましょう。