ベルカント 発声法について 4  呼吸法

P.148 肋骨を少し開くと空気は自然に入り込みます。
   吸うと言うより、入れ物を広げてやると考えてください。

   息を吐く時は、入れ物の肋骨をすぐに小さくしてはだめです。 
   お臍の上下の腹筋を体の中の方へ入れるようにして、
   横からも後からも、あたかも、ウエストを補足見せる時のようにしてください。

   (中略)レガートに歌いたい時も、この呼吸法を使い、
   間断なく空気を送らなければなりません。
   途中で少しでも止まったり、方向が違ったりすると、
   音はぐらついたり、音色が違ったりしてきます。

   横隔膜こそ、歌を歌う時の最強の味方なのです。

フツーは、息をたくさん入れようとすると、
掃除機の吸引力を最大にするかのように、鼻とか喉に力を入れたりしてまで
「たくさん吸ってやるぞ~」と意気込むのですが、(少なくとも私は!)

著者は、「空気の入れ物(肺)を横隔膜という筋肉で広げるだけ」と言い、
「出すときは、横隔膜よりもっと下の方の筋肉を絞ってくる」のだそうです。
縁あって私は著者・関先生の歌を何度か聴く機会がありましたが、
それはそれは・・・・とろける天女のような声で、
「声」というよりは、建物(ホール)全体に共鳴する「得も言われぬ響き」でした。

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