P.147 顎を開ける時は、開けながら後ろへ引くという方法が良いでしょう。
(中略)頭へ響かせるということは、鼻に息を送るということではなく、
反対に、鼻腔を太鼓と考え、なるべく鼻腔へ通じる路を防ぎ、
一つの振動体にするべきなのです。
そしてその太鼓を、声のバチで打ってやるのです。
(中略)良い声の人は、必ずといってよいほど、鼻が閉じられています。
しかし、N、M等の子音の時や、ハミングの時は別です。
10年くらい前までは、口を縦に大きく開け(=顎を落として!)て歌っていました。
その方が響くような気がしていたのです。
現在は、顎に力を入れず、むしろ手で支えて、下がってくるのを防いでいます。
もちろん顎が出て、上向きになっていてはいけないし、、、
難しいことだらけです。
そもそも「自力整体の壁チェック」と同じスタイルで、
後頭部を引いて立っていること自体が辛いのです。
バレエや社交ダンスで厳しく叩きこまれている私でさえ、時として崩れるのですから、
そういうトレーニングをしていない夫には、気の毒なくらい苦手の立ち方です。
でも、その姿勢と顎の形と息の量をキチンとコントロールできると、
素人でも分かるほど、声の響きが変わります。
ちゃんとした先生にならっていれば、時々そういうことがあるので、
やっぱり、一生勉強し続けることでしょう。