分岐点に来ました。
観光客はここで駐車場に引き返し、私たちは周遊コースへ。
P.168 「O-157」は清潔な場所でしか生きられない
大腸菌は悪玉菌と呼ばれ、悪者扱いされがち。
しかし、大腸菌はO-157などの病原菌が腸に入ってくると、
いち早くそれを察知し退治するという、
腸内の番兵のような役割を担っています。
なのに、日本では、ウンチに大量に含まれる大腸菌を汚い菌として
汚染の指標とし、食中毒の元凶のように未だに扱っています。
著者によれば、これが大きな過ちで、
人が抗生物質や殺菌剤で一掃しようと取り組むたびに、
いじめられ続けた細菌たちはより強い子孫を残し続けようと、
耐性菌を生み続けました。
P.169 O-157もO-111も実態はヤワな菌。
菌のエネルギーを100とすれば、70を毒素の産出に使うため、
生きる力は30しかありません。
種種雑多な菌の棲む場所では、
他の菌の強さに負けて排除されてしまうような、生命力の弱い菌。
O-157が猛威を振るうのは、先進国の学校や幼稚園、
レストランの厨房など、
隅々まで除菌してある、細菌ゼロを目指す場所です。
雑多な菌がいない場所では、生命力の弱い菌も
我が物顔で増殖できてしまうのです。
この状況を個人で変えようと思っても絶対無理だなぁ……と、
溜息がでます。