健康「いろはガルタ」  《ま》

            負けるが勝ち?

思わずニヤリとしてしまう文章を発見したのでご紹介しましょう。
著者は8月20日のお薦め図書にも登場した医師の石原結實氏で、
書名は、<「カラダの硬さ」が病気の原因だった!>2008年6月刊です。

  <とにかく男性は女性にはかないっこありません。
   私のように、女性に対しては「勝たない、勝てない、勝ちたくない」の
   「非核三原則」ならぬ「非勝三原則」をモットーに生きていくに越したことは
   ありません。>

この文章から感じるのは、石原氏は殆どの場合、女性より優位に立っている(勝っている?)
から、あえてユーモアで包んで事実を和らげている、という雰囲気です。私個人的には、
男女間に限らず、親子間、友人間、師弟間でさえ勝ち負けの判定は無意味だと思います。

ただ、非常に高潔な人格の持ち主には「負けた!」(=この人はすごい!)と感じることが
あります。でも、それは「この人に勝ちたい」という気持ちではなく、
「この人に学び、少しでもその域に近づきたい」という願望です。

「非勝三原則」が一番有効そうなのは、高齢の親に対してです。
「論理的に行動したい。」または「自分に理がある」と思っていても、
高齢になると、思うように動けず、思い込みによる間違いも多くなるものです。

そこを図星で追求されるのは、「事実だからこそ辛い」わけです。
こういう時は、相手を立てながら(負けたふり?)、より良い対処法を考えることです。
「辛い現実」をオブラートで包み、お迎えが来るその日まで、
何とか元気に楽しく暮らしてもらうことが最終目標ですから。

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