「来週月曜日は給食はありませんのでお弁当を持たせてください」
という学校からの手紙を 当日朝 息子のランドセルから発見。
(「お手紙ない?」って聞かなかった私が悪いのか?
息子が出かけるまであと15分…… !)
田中氏によると、この絵は、上記文章のようなおちゃらけた状況は皆無の、
素晴らしい政治的メッセージなのだそうです。
ジャック=ルイ・ダヴィッドによる「マラーの死」という絵で、
フランス革命を推進したジャコバン派の指導者、マラーが暗殺された場面です。
P.56 無念の死を遂げたはずのマラーの表情は神々しく、
皮膚病を患っていたはずの肌も滑らかに描かれるなど、
英雄的に理想化して描かれ、政治的プロパガンダとしても利用された。
マラーの左手には血のついた嘆願書が、
右手には報道者としての一面を物語る羽根ペンが握られ、
その左には凶器とおぼしきナイフが落ちており、
本作の劇的な緊張感を盛り上げる効果を発揮している。
もし、私がこういった背景を知らずに、この絵を美術館で見ても、
「な~んて暗くて、気持ち悪い絵」としか思わなかったことでしょう。
世の中は、個人で果敢に戦っても
「結局は権力者によって葬られてしまう」ことの繰り返しのようですが、
名画を見ながら<過去の色々な人々の無念・焦燥・喜び・昇華>などを
知り、味わい、感動する悦びを味わえる、良い本だと思います。
また私の人生に、こういう楽しみへの道を拓いてくださったシェア奥沢の
西洋絵画の会講師・宮本忠雄先生に大感謝!です。