結構、衝撃的な出会いのような気のする偉大な本。
自力整体よりは、ボディワーク・舞踏関係者にお勧めします。
私にとっては、バレエはもちろん、テニス・卓球などとも繋がり、
高齢者の健康体操指導にも役立ちそうな有用情報満載でした。
それは著者の宮園氏が、いわゆるバレエダンサーの枠に収まらず、
多くのジャンルの人々に身体の本質を伝えようとしているからです。
p.152 (著者が)中学生の頃、考えていたこと
「身体の仕組みを知れば、老若男女を問わず、人種問わず、
みんな健康で幸せになれるにちがいない。だからもっと
みんな身体に興味を持てば良いのに」と。
上記は、私も同じです。本当に強くそう思ったのは最近ですが、
身体に関する感覚を研ぎ澄まし、実感し、動かして確認すれば、
痛みを和らげることも、パフォーマンスを上げることもできるのです。
でも、多くの人が辿り着けず、お手上げ状態になって、
「トシのせい」にして、諦めてしまって、さらに余計な医療費を使い、
社会のお荷物(=健康産業界の餌食)になっていることが、
歯がゆくて、腹立たしいです。
この状況を打破するべく、著者が考えていることは、
p.153 身体に興味を持つ人たちが老若男女を問わず集まれる場所を
つくりたい。年齢も経験も環境も違う人たちがお味空間で
一緒に学んでいる場。触れ合ったり、悲鳴をあげたり、
驚いたりカッコいいところを見せられたりする場。
その場でしか生まれない空気があり、一種のアート活動の
ようですらあります。身体への感動によって一つになる
人たちを見て、なんとも言えない幸せな気持ちになる・・・・・
(中略)今後は医師や研究機関との実験や検証を行い、
科学的な根拠を背景に身体と足のメカニズムをもっと
説明できればと思います。
私自身は、そこまで高い位置にいませんが、彼女の検証を
心待ちにして、自分の教室や体操グループでの指導に役立て、
ともに学んでいきたいと思っています。