落し物・続き & ドロミテTrekking 8

「落し物」で思い出すのは、料理教室の東城百合子先生です。
先生の恩師・常岡一郎先生の日めくりカレンダーの言葉を何度も語られ、
生徒に叩きこまれました。

<災難を拾う人>という題で、

  「百万円拾った。
   それは百万円を落とした人があったからである。
   落とした人は、
   アッ百万円おとした! 運が悪かった! と、暗い心になっただろう。

   それを拾ったのである。
   いわば他人の運の悪さ、暗い心を拾ったのである。
   拾った後は運命の下り坂になるのは当然のことである。」

昔から「悪銭身につかず」という言葉もあり、
拾得物を着服するのは立派な犯罪である……にもかかわらず、
現代の常識は
「財布に現金が入っていたら、出てこない」のが当たり前のようです。

今回拾って届けてくださった方は、名前も仰らず立ち去られたそうです。
全部なくしたことを思えば、1割くらいお礼を差し上げるのは当然ですが、
そういったことに頓着せず、「落とし主に戻れば、それで良いのです。」とは、
本当に奇特な方だと思います。

そのことをラッキー!と思うだけでなく、
何らかの形で世の中を明るくすることで、お返しをしたい!と思いました。
   

遠くに雪を被っているのはマルモラーダの山々です。

遠くに<鍋蓋のつまみ>のように見えるピークがPiz Boeです。

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