「落し物」で思い出すのは、料理教室の東城百合子先生です。
先生の恩師・常岡一郎先生の日めくりカレンダーの言葉を何度も語られ、
生徒に叩きこまれました。
<災難を拾う人>という題で、
「百万円拾った。
それは百万円を落とした人があったからである。
落とした人は、
アッ百万円おとした! 運が悪かった! と、暗い心になっただろう。
それを拾ったのである。
いわば他人の運の悪さ、暗い心を拾ったのである。
拾った後は運命の下り坂になるのは当然のことである。」
昔から「悪銭身につかず」という言葉もあり、
拾得物を着服するのは立派な犯罪である……にもかかわらず、
現代の常識は
「財布に現金が入っていたら、出てこない」のが当たり前のようです。
今回拾って届けてくださった方は、名前も仰らず立ち去られたそうです。
全部なくしたことを思えば、1割くらいお礼を差し上げるのは当然ですが、
そういったことに頓着せず、「落とし主に戻れば、それで良いのです。」とは、
本当に奇特な方だと思います。
そのことをラッキー!と思うだけでなく、
何らかの形で世の中を明るくすることで、お返しをしたい!と思いました。
遠くに雪を被っているのはマルモラーダの山々です。
遠くに<鍋蓋のつまみ>のように見えるピークがPiz Boeです。