元旦、多摩川の帰りは大田区多摩川台公園の中を通り、富士山チェック
以下、年末に書き写していた長尾医師の本の続きです。
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魂の痛みとは何か?
P.74 痛みには大きく分けて4種類あると言われています。
①肉体的痛み:いわゆる、日常に感じる身体的な痛みのことです。
日常生活に支障をきたします。
②精神的痛み:これは、不安や恐怖感、怒りやうつ状態などの、
心の痛みのことです。
③社会的痛み:病気のために仕事を失い、経済的に苦しくなったり、
社会や友人と縁が切れたりすることによる痛みのことです。
④魂の痛み(Spiritual Pain):精神的痛みよりも深い、
私の人生は何だったのか?といった
人生の意味への問いかけや死生観への懊悩からくる痛みのことです。
P.76 これら4つを合わせて、全人的な痛み、もしくはトータルペインと呼びます。
(中略)終末期医療に携わる者としては、「魂の痛み」が4番目であることに
疑問を持っています。
(中略)たとえば、終末期を迎えたがん患者さんから、
「もう早く死んでしまいたい」「いっそのこと殺してほしい」と
訴えられることはよくあります。これはまさに、魂の痛みであり、魂の叫び。
「もっと生きたい」の裏返しなのです。
この魂の痛みをモルヒネでコントロールすることなどできません。
(中略)がんの人に限った話ではありません。特に私が今、
興味があるのは認知症の人のスピリチュアルペインです。
P.77 (中略)孤独の中で、
もう、生きることの意味を問うことすら諦めてしまっている……
私はこの人の球足いの痛みを、行くたびに深く感じ取ります。
認知症の人を見ていると、ときどき、
魂の痛みに耐えきれず、そこから逃れるために、
あえて脳がすべてを「忘れなさい」と指令を出しているのではないかな、
と思うこともあります。
今日、書き写した長尾医師の文章は、
今までの私の経験からは想像できなかった世界です。
人生の意味を感じることができなくなったら「魂が痛む?」
「生きていても仕方ない?」
そういう人たちに「元気で生きろ」と命令して、無理やり生かしていくのは??
私の人生の意味は?
今は元気で、やりたいことがたくさん有り、人を喜ばせることができ、
自然の美しさ、音楽や絵画の素晴らしさを味わい、シェアすることができる。
でも、なんか・・・自分のことばっかり・・・のような気も・・・
長尾医師は、この章の最後で、
(認知症患者がワンちゃんなどのアニマルセラピーを受けて)
小さくて温かな彼らに触れるだけでしばし痛みは消えてなくなるのです。
と、結んでいます。
クリエイティブなことが出来なくなっても、美しい・可愛いものが分かり、
微笑むことが出来れば、幸せでいられる?
私もいつか行く世界のことが示され、ちょっと安堵しています。