夫の後始末  4 「奉仕」とは排泄物を世話すること

今、集中して介護関係の本を読んでいる理由が、表記の問題です。
私の両親のときから、ほんの数年で、介護保険が使いやすくなり、
家での看取りが楽になったのか??
私が90歳になったとき、91歳の夫の排泄介助ができるのか???

政府は在宅での看取りを推奨したいらしいけれど、
老老介護の場合、それは可能なのか?
疑問だらけです。曽野さんの著書では、

P.123 時を選ばず、所きらわず起きる病人や高齢者の生理的要求の
   世話をしてくれるのは家族しかないというのも、
   平凡な事実なのである。

   訪問介護という制度はあるが、それは「今すぐ」トイレに
   連れて行ってくれたり、汚れ物を洗ってくれたりすることではない。

   これらを満たすのは、まさに奉仕、「ディスコニア」と呼ばれる
   行為なのである。

P.124 奉仕を意味する「ディスコニア」というギリシャ語の原語は、
   もっと厳密な意味を持つ。「ディア」は英語で言うと「through」、
   つまり、「……を通して」という意味である。

   「コニア」は「塵、あくた」である。
   「汚いものを通して」ということは、「人間の排泄物」を通して、
   ということだ。

   奉仕とは、うんことおしっこの世話をすることなのだ。
   それ以外は、人に仕えることではない、と私の知人の神父は言った。

P.126 だから現実的に、「真のディスコニア」を継続できるのは、
   職業的看護師か介護士と、家族なのである。

2008年にデンマークの介護事情の勉強に行ったときは、施設暮らしの人も、
平屋の自宅で一人暮らしの人たちも、それぞれに快適そうでした。
排泄介助は、もちろん家族ではなく、全てプロです。

「デンマークでは、人口が少ないので、
<認知症の老人>でも、人的資源なんだ」と教わりました。

「医者と看護師、介護士の連携が良く、それぞれの専門性に誇りを持ち、
被介護者を含むチームを組む」という北欧方式が日本で可能なのか?
「お一人様でも快適な最期」といった書籍も出ているようなので、
実態を把握しつつ、勉強していきたいと思います。

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