声楽家・関 定子さんの文章を見つけたのでメモします。
(声楽ライブラリー8 「声楽練習へのヒント II 私の修行時代より」音楽之友社)
①口を大きく開けすぎないこと
あごの下の柔らかい部分(水を飲むときにゴクゴク動く筋肉)を、
柔らかくしたままで歌わねばならない
(中略)喉が硬く下がるという現象は、
舌根が下へ下へと一方的な運動をしているという、単純なこと。
何事も一方的な動きというのは、<力み>が入ってしまうものです。
(中略)「舌根も喉も、開けたり閉めたりできなくてはいけない」
「しかも開けすぎても、閉めすぎてもいけない」
セオリーは簡単なように聞こえますが、実際はとても微妙な問題で、
非常に難しいそうです。
極端にやり過ぎても、やらな過ぎても駄目で、彼女も色々な失敗を経験した結果、
発声法の伝え方として、喉の閉じ具合を数値化したそうです。
< 極端に開いている状態を+10として、 極端閉じを-10と仮定>
話し言葉が±2で開閉しているとしたら、
歌のときは±5として、自分がどの状態にあるのかをチェックする。
でも、音の高さによって開け具合・閉め具合は変わるし、人によっても違うようです。
しかも自分では「物足りなく感じる声」が、「力が抜けて、良い声になった」と言われ、
著者はとまどったそうです。