では、具体的には何をすれば良いのでしょうか?
p.116 疲労をリセットする 「動的リカバリー」メソッド
「伸び」をしても疲れは抜けない
疲れてきた典型的な現象として、体の可動域が狭くなって、
体が硬くなる「硬化」 があります。そんなとき、多くの人は
無意識に柔軟性を取り戻そうとします。
「伸びやストレッチをして、体を伸ばしたい」と思うのです。
あなたも仕事や家事の 最中に、「うーん」と伸びをしているかもしれません。
しかし、「筋肉を伸ばす」というのは本当に正しいアプローチなのでしょうか?
筋肉がこり固まったことによる「一時的な筋疲労」にはいいかもしれませんが、
「体を伸ばす」ことで「慢性的な疲れ」を抜本的に解決するのは難しいでしょう。
伸びをすると、一瞬気持ちがよいかもしれませんが、疲労が本当に解消できているか
といえば、疑問が残ります。「伸び」の効果は長続きするものではありません。
p.117 なぜなら、体の硬化はあくまで,疲労の結果”であり、原因に隠れているのは
「体に妙な癖がついている」ことだからです。
「疲れ癖」が体に定着している?
前章でも書いたように、疲労という現象は、中枢神経と体の各部の連携にズレが
生 じて体が無理な動きをとろうとした結果、ダメージが蓄積される形で起こります。
この、本来の体の構造的に「間違った、動きが、「現場」である体にも、
「社長」で ある脳にも定着してしまうのが「体に変な癖がつく」ということです。
変な癖が体に染みついた結果、「疲れて可動域が狭くなる」という事態を招きます。
たとえば、「股関節の代わりに、腰を使って体をかがめたり、起こしたり、
ひねっ たりする」癖が体についた結果、体に余分な負荷がかかることはもちろん、
本来もっ と使うべき「股関節」は硬くなり、
使う必要のない「腰」にはダメージが積もります。
これを放っておくと、いつの間にか脳までが、つねに間違った指令を出すことにな り、
体はますますおかしな動きをすることに……。
p.118 こうして、どんどん体のバランスは崩れ、疲れは 溜まり、
「疲れやすく、疲れが取 れない体」が増強されていく、というわけです。