P.176 高高度の低酸素状態が体に影響を及ぼすのは、学術的に3200mから。
これは富士山の7合目に相当します。
(中略)3200m以上の高度で急に低酸素の影響が出るのは、
赤血球中で酸素と結合するヘモグロビンの特性が関係しています。
全ヘモグロビンの何パーセントが酸素と結合しているか(酸素飽和濃度)は
平地の海抜0mで100%ですが、
3200mの高度、すなわち大気圧が60%まで下がっても、ほぼ100%に維持されています。
それが、その高度以上になると一気に下がります。
これが富士山の7合目あたりで起こるのです。
(中略)
P.178 何故(この高度を越えると)息苦しくなるのか。
それは血中の二酸化炭素濃度が上昇してくるからです。すなわち、
平地では身体は血中のCO2濃度を一定にするように呼吸しているのです。
これを呼吸のCO2運動と呼びます。
しかし、高度3200m以上に到達し、
血中のヘモグロビンに結合している酸素量が下がってくると、
今度は呼吸が酸素(O2)駆動に置き換わります。
体にとっては緊急事態で、血中のCO2濃度よりO2濃度を維持することが優先されるのです。
(中略)その結果、脳の血管が収縮し、めまい、失神、吐き気、
ひどい場合には嘔吐を引き起こします。
P.179(中略)高度が3200m以上になって、動脈血中の酸素濃度が下がると、
筋肉への酸素供給量が低下し、乳酸ができやすくなります。
乳酸は「酸」ですから血液が酸性化し、それも呼吸を亢進させます。
その結果、ますます息切れが亢進し、脳血流が低Q化するというわけです。
読後感想は、
富士山以上の山には、多分もう登らないけれど、
体の酸化、活性酸素の発生のことを思うと、
やっぱり、筋肉作りは重要だ!ということです。