ばあちゃん、介護施設を間違えたらもっと…… ⑩ 弄便行為

P.225 尊厳のある「生」とは? 「老い」とは?

   (丸尾)生きることの一番の尊厳とは何か?
   ボケボケになっても最後まで残ることは、
   「食べること」と「排泄」と「移動」です。

   この三つを、できるだけ尊重して介護をする。
   それがその人の尊厳を尊重することやと思います。

P.226 認知症の人は、いくらボケていても実は味覚がしっかりしていて、
   味がわかる

P.227 今までトイレに自分で行けていた人が、一度失敗するだけで
   オムツをさせられる。自分でできるのにオムツをさせられるというのは、
   大変な屈辱です。

   その屈辱感に堪えられなくなって、人間の脳は、
   あえて尿意や便意を忘れようとしてしまう。つらすぎる現状に、
   脳のスイッチが切り替わる。

弄便行為:認知症が進行すると、自分の弁を壁や床にこすりつける。
   これまでの医学や看護学では、弄便行為は、人格崩壊の極地だと教えてきた。
   しかし、認知症が進み、快・不快を素直に表現しているだけだという見方が
   最近増えてきた。

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