2015/5 刊 著者はジュリア・エンダース 1990年生まれ
フランクフルト微生物学・院内衛生学研究所で博士論文執筆中
330ページを超える長編で、びっしりの活字。時折、洒落たイラスト入り。
目次をみて、読みたくなった項目だけあげると、
第1章 あなたの知らない腸の魅力
「トイレの正しい座り方」を知っていますか?
1~2週間、グルテンをとらないとどうなるか
果糖がお腹をこわす原因になることを知らない人は多い
第2章 長の働きをつかさどる優雅な制御システム
P.105に<お腹がグーグー鳴る音>の解説があります。
小腸はとてもきれい好き。食事のあとには、すぐに後片付けを
しなければ気がすみません。消化しはじめてから2時間後に
小腸をのぞいてみると、とてもきれいに片付いていて、匂いも
ほとんどありません。
消化がすんでから1時間ほどで、小腸は掃除を始めます。
この掃除のことを専門用語では「伝播性消化管収縮運動」と呼んでいます。
このとき幽門が開き、胃の中に残っているものを小腸へ流しいれます。
引継ぎを受けた小腸は力強いウエーブを起こし、すべてを洗い流します。
カメラで観察すると、それはもう感動的な光景が繰り広げられていて、
ふだんはユーモアに掛ける学者でさえ、この仕組みを
「ハウスキーパー(家政婦)」と名づけたほどです。
お腹のハウスキーパーが出す騒音は、誰もが一度は聞いたことがあります。
お腹がグーグー鳴るあの音です。この音は胃ではなく、小腸から聴こえます。
お腹がすいているからではなく、掃除をしている音なのです!
(中略)P.106掃除の騒音は大きいこともあれば、小さいこともあります。
いつも聴こえるとは限りません。胃腸にどれだけの空気が含まれているかに
よっても異なります。
そのときに何かを食べると、掃除はすぐに中断されてしまいます。
消化している横で、掃除なんかされたら邪魔でしょうがないですから。
だから常に何かを口に入れている人は、掃除をする時間がありません。
そのため、食事と食事のあいだに少なくとも5時間は休憩をはさむべきだと
する栄養学者も少なくありません。