「命の格差は 止められるか」 ⑥

P.200 行動経済学とは: 意図通りに人が行動しない理由を研究する分野

   2002年にノーベル経済学賞をとった、心理学者でもあるDaniel Kahneman氏らが

   発展させた。それまでの経済学は、現実とそぐわないことがよくあった。

   
   行動経済学では人の意思決定の過程には、ふたつの機能が共存すると考える。

   その機能とは、SystemIとSystemIIと呼ばれ、

   SystemIは、直感に近い判断や感情的な判断を司る。
   SystemIIは、理にかなった合理的な判断をする。

著者の主張は、

   健康改善のための取り組みは、そのほとんどがSystemII、つまり、
   人は理にかなった行動をする前提でつくられました。

   しかし、時に私たちの競合となる民間企業の広告戦略は、

   どれも直感的で感情的な SystemIに基づいて設計されています。

   私達に「考える」余裕を持たせず、感情的に、発作的に、
   自分たちの商品やサービスを選ばせようとしているのです。

   その結果、知らないうちに不健康なものを手にとってしまいます。

P.204  理性は感情に勝てない

う~む、懐かしい(最近良く目にする)言葉です。
そう、勝間和代さんの文章によく登場する、「象さんと象使い」の例えですね。
なので、たばこのコマーシャルのように、
メーカーがSystemIで<たばこを吸うことはかっこイイ>と煽るとき、
パブリックヘルスの専門家が
SystemIIで、
たばこのパッケージの端に小さな字で「健康に対する注意喚起」をする程度では、
勝負は目に見えているのだそうな。

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