「与命」 ⑥

P.89 時代は、目に見えにくい大事なものを失わせているように思います。

   なぜ、これほど人間どうしのふれあいを私たちは手放してしまったのか?
   
   (中略)ひとえに煩わしかったからでしょう。

   豊かで便利になり、自分の居心地を求めるあまり、

   「面倒なことはごめんだ」「波風を立てたくない」という風潮になってしまった。

   自分の快適さばかりを考え始めると、

   他人を異物としか認識できないのではないかと思うような事件が相次いでいます。

   人間関係とはやっかいなものだけれど、それを、

   「智恵や忍耐で折り合いをつけながら、

    関わり合いながら助け合い励ましあって生きる姿が自然なのです。

P.90 そうした人間のつきあいを円滑に行うには感性が必要ですが、

   豊かで便利な日々は、どうしても感性を鈍らせます。

   感性を養うには、ひとえに身をもって知る、

   つまり体験にまさるものがありませんが、

   それも望めないとなると、せめて多くのひとと接し、
 
   体験を見聞きすることでしょう。

   そして学び続けることです

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