「ボケないで人生を楽しみつくす」

副題 <93歳ただいま人生絶好調> 武藤静子・著 2003/5

著者は1910年生まれで、日本女子大家政学部~小児栄養学がご専門。
日野原先生と同じように、
留学先で素晴らしい経験をされたそうです。

P.38 アメリカの家庭では子どもたちにも仕事が与えられています。
   (ある家庭では)長男は機会や電気一式の管理、
   次男は牛の乳搾りなど牛の世話とチーズ作り、
   末っ子はニワトリとウサギの世話と決まっていました。

   なかには食器洗いは息子の仕事という家庭もあり、
   当時のアメリカ家庭では、大人も子どもも
   実によく体を動かして働いていたものです。

P.39 (中略・電化製品が溢れる生活でも)
   その根本にあるアメリカ人の生活は実に質素です。
   ただ楽しみを追うのではなく、
   楽しく働くことを誰もが実践していました。

   そして、人の役に立とうとする飾らない善意は、
   高度成長がもたらした経済繁栄の中で
   日本人が忘れてしまった宝物のように思えてならないのです。

こういうことを今の日本の家庭に求めることは難しいようです。
団塊世代の私の成長期、社宅の風呂釜は石炭と薪を使うものでした。
まず新聞紙や小枝を燃やし、次に薪を足し、最後に石炭を入れて、
底に落ちた灰などを掃除していた小学生時代……

「一日おきに夕食後の食器洗い」というノルマもありました。
私は風呂焚きの方が好きで、食器洗いは大嫌いでした。

でも、そんな私でさえ、中学に行き始めると、部活や塾が優先で、
いつの間にか家事のノルマはなくなっていたような気がします。
多分、精神面で、

<人の役に立とうとする飾らない善意>というモノが欠如していた……
  ような……気がするのです。

過密スケジュールに追われる現代の子どもたちも、同じでしょう。

でも、家庭経営・生活の知恵を学ぶためには、

  家事は絶対に<家族全員でシェアが必要だと思います。

上部へスクロール